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作用と反作用の法則。

今日は有言実行した ぼんです!←エラそう・・

昨日書いてたアンコール上映している映画を
観に行ってきました~。
14~17日までが17:40上映開始だったので今日しか
チャンスがなかったのです(あさってからはレイトショーなんで・・)

「海でのはなし。」
ぼんの大好きな宮崎あおいさんと、大好きな西島秀俊さんが
主演、全ての挿入歌が大っ好きなスピッツ、というまさにネ申のような映画・・。
70分のショート(?)ムービー。
以前、こんな映画があるって偶然知った時はあんまり期待してなかった。
正直言って。その曲が好きだから実はそのイメージで、というもので
今まで観てよかった~というのがなかったので・・・。
でも「よかったよ」という声を聞いて「ああ、やっぱ観とけばよかったかな」と
思って。今回のアンコール上映、行ってきました。

やさしい、切ない、話です。
これを観たらきっと誰かを好きになりたくなる。抱きしめたくなる。
そんな気がする。

ここから先はお話に触れます~☆



あらすじとしましては・・。
ごく平凡な普通の家庭で両親の愛情を受けて素直に育った楓(かえで)。
ある日些細な疑念から思いも掛けない事実と向き合う事になってしまう。
自分の存在価値すらわからなくなってしまう楓。
頭に浮かんだのは、物理の非常勤講師をしている博士(ひろし)のこと。
携帯で呼び出し二人で夜の海へ向かう・・・

この先、ラストまでは書きませんが(笑・・・気になったら観て下さい☆)

海へ向かう前までは確かに楓は少女だったはずなのに。
なんだか大人の女性に見えてしまったです。

二人きりの夜明けの車の中、
「今、あたし、博士に抱きしめてもらいたい。・・・だめかな・・?」
博士を見つめながらそう言う楓、その雰囲気にドキドキしてしまいました(笑)

結局、楓を女性として見てなかった博士は楓の気持ちを知って
拒絶するしかなく、楓をさらに傷つけてしまう。

その後、共通の女友達に「嘘でも抱きしめてあげればよかったのに」と
責められるけど、嘘で抱きしめても傷つけるだけだから、と言って
呆れられてしまう。
でも博士の気持ちはすごくわかる。
その場で雰囲気で、愛おしいとか可愛いとか、そんな気持ちで
抱きしめてしまうのなんてきっと簡単なんだと思う。
そこでそう思う気持ちも嘘じゃないんだと思う。
でも。楓が本当に大事だから。愛とか恋とかそれより前に大切な
女の子だから。嘘で、慰めで抱きしめてしまうなんてできなかった。
楓の素直な本気の気持ちに博士も本気で返したんだと思う。
気持ちがついていってないのに抱きしめる、という行為はできないって。
そんな不器用だけどまっすぐな博士にすごく共感できる。
色んなシーンで「あ、こういうところ似てるかも」と思ってしまいました。

道路の白線に沿って歩いてみる事とか(笑)
昔よくやったなあ~。白線以外のところを踏むと地獄落ちなのです(笑)
本当に落ちる訳ではないのにかなり真剣にやってました・・。

博士も心の奥に傷をもってる。
それは両親に対するやるせない気持ち。
「嫌いなんだ。馬鹿だから。」
そう言ってしまうのは、そう言わないと自分の気持ちをもて余すから。
飄々としていて、とらえどころがない博士。
でもきっと心の奥に激しい感情を隠している人なんだと、深い愛情を
もってる人なんだと思う。
親だから愛してるのに。本心から出る言葉が全く通じない事って
本当に哀しい。博士の場合、それが家族だから悲劇だと思う。
ぼんもそんな経験あります。
上っ面の言葉ではなくて、ちゃんと考えてちゃんと話してるのに
その誰かには上滑りして全く届かない。少しも交われない。いつまでも平行線。
相手と深く関わっていれば関わっているほどそれは本当に哀しいこと。
ぼんもその時はすごく絶望的になった。親じゃなかっただけマシなのかな。
人間なんてちゃんと話せばわかるんだって思ってた。でもそう思わない人も
いるって事。発した言葉がその人の価値観では全く意味のないものに
なってしまう怖さ。
「なんでわからないんだ」っていう言葉の無意味さ。

その気持ちのもって行き場がなくて、劇中では初めて博士が自分の感情を
あらわにするシーン。
講師室で本や研究のレポート、資料を本棚や机の上から床へ落とす。
「ちくしょう、ちくしょう!」って感じで。
完全に感情移入してたので不意打ちで涙がやってきちまいました・・笑

心を傾けた相手に同じ気持ちを返してもらえない事が本当に辛い。
親でさえそうなのに他人にはもっと恐くて二度と誰かを想えない。
傷つきたくなくて、これまで誰も深く愛せなかった博士。
自分の気持ちに正直で博士へのまっすぐな想いを隠さない楓。
不器用な二人の心がだんだんそっと寄り添っていく。
それは必然。本当は誰かを愛したかった、誰かに愛されたかった博士には
きっと楓の純粋さが必要だったんだと思う。

最後まで愛の言葉をささやいたりしないお話でしたがすごく愛情を
感じました。誰かを好きになるってこんな感じ・・な。


役者さんについては。
宮崎あおいさんは、とりあえず可愛くて大好きな女優さんですが、
あの瞳でまっすぐ見つめられたら、なんかどうしていいかわかりません(笑)
段ボールをソリ代わりにして土手を滑って(・・というよりズリズリ引きずってく)
行くシーンが萌えです(笑)
楓の繊細なところやまっすぐさをすごく上手く演じてられたと思います。
西島秀俊さんは、こういう役が本当に上手いと思うのです・・。
さりげなく優しくて、不器用で、真面目で。
普通にいたらダサいのにちょっとした時に語ったら格好いい人・・みたいな。
いちご大福パクついてる感じとか楓にあごで使われてるところとか
物理の専門の話をして楓の気持ちをまぎらわそうとしてるとことか。
好きです~!!(笑)
後は毬谷友子さんや勝野洋さん、今話題の菊池凛子さんとかも出てられました。
(すごいベテランが勢揃いな感・・・)

音楽は・・ALLスピッツなんで(笑)言うことないんですが。
ただ、ちょっとだけ。
曲が流れてて場面転換でブチッと切られてるとこが気になりました・・。
フェードアウトでもなく、劇中音に遮られるでもなく。
ぼん的にはその曲で気持ちが盛り上がってるところだったので(笑)
「あっ!」みたいな(笑)
それと、歌がない方がいいな、っていうシーンも。。(あくまでぼんの主観です)
でもたぶんこれは監督さんがスピッツのファンだからきっと入れたい曲が
いっぱいあったんだろうと思う。

だけど、「ホタル」と「ロビンソン」がすごくいい所で入ってくれて。
特に「ホタル」でぐわ~っっと気持ちを持って行かれてしまいました。

後から知ったのですが、この映画は制作時間が超短かったそうなんで。
だからどうしようもない事もあったんだろうな、と。

・・・と、一部苦言を呈しておいてなんですが、本当に観てよかったです。
もう、観終わった後はとりあえずこの気持ちを誰かと分かち合いたい!でいっぱい
でした!とりあえずそんな勢いで電話やメールして来られても迷惑だろうと
映画館の前の道の横断歩道を渡る時、白いところだけ踏んで渡りました(笑)
JRの駅から家まで徒歩15分の間、「ロビンソン」歌ってました(笑)
我ながら単純だな~・・。

いつもお芝居やドラマ、音楽について事細かに書かないのですが、
今日は気持ちが抑えれなくて(笑)しかも長々となってしまった・・。
書かなかったのは上手く書けないからです(笑)ぼんの頭の中を
取り出して見せた方が早いし伝わりやすいって感じだから(気持ち悪いよ)
なんせボキャブラリー貧困なんで、伝えるのがヘタです。。
身振り手振りとか得意な感覚人間なんで・・・(笑)
作用と反作用の法則。_d0098335_061314.jpg


誰も触われない 二人だけの国  君の手を離さぬように

ラストシーンで楓がぴょこっと片足を上げてるのがすごく愛おしかった。
by eeny_meeny-bon | 2007-03-18 00:16 | ドラマ・映画・演劇